ついにキングオージャーが完結!ありがとう王!
ということで、一応毎年恒例にしてたので1年間の放送を見終えての感想を書きたいと思います。
ただしちょっとニチアサからは距離を置こうと思っているので、今回で多分総まとめ的な記事は最後になると思います。
目次
王様戦隊キングオージャー、ここが良かった!!!
まず作品の良かった点を書きたいと思います。
豪華な雰囲気のある衣装とキャスト
本作は異世界というか海外的な星が舞台で現代日本とは異なる世界観なわけですが、変わったCG背景に埋もれない豪華さな衣装や変わったキャラクターを演じている役者陣はなかなか良かったと思います。
ロボット何体かが格好良い
残念ながらほとんど出番はありませんでしたが、キングコーカサスカブトやタランチュラナイトといったロボットのデザインが格好良かったです。
キングコーカサスカブトは胴体が顔に見えるのと再生能力がそんなに強そうに思えなくて最初出てきたときはそんなにピンとこなかったんですけど、かなり後に再登場した時は「改めて見るとこいつかなり格好良いな…」と思った。
CGを駆使して派手に動き回るタランチュラナイトも良かったですね。
キングオージャーは1話はかなり良い感じだったんですが、以降はなんか高速で飛び回るとかあまり好きじゃない方向の演出だったり出番も減ったりでそんなにだったかな。
キングオージャー、ここがダメだった…
続いて、残念だった点についてです。
大変申し訳無いんですが、正直言って戦隊シリーズどころか今まで私が20年以上に渡って見てきた特撮ヒーロー番組の中では一番出来が悪かったと思います。
仮面ライダーゼロワンとかリバイスも当時見ててコレ以下の番組はねぇだろと思ったんですが、そいつらでも今思えば全然マシかもしれません。
戦闘シーン、なさすぎかつ最悪レベルにアクションが面白くない
キングオージャーで一番まずいのは、とにかく戦闘シーンが少なすぎるしやってもつまらないことです。
戦闘は1部も大概短かったけど、2部に至っては基本2分くらいしかありません。
やってもメンバーはろくに全員揃わないし合体技や名のりもないし必殺技も面白くないしで、マジで戦闘は全然良くなかった。
私は昔からそんなに特撮ヒーローものの戦闘シーンに重点を置いて見てなかったんですけど、それでも流石にコレはないだろと思うレベル。
というか、キングオージャーのおかげで今まで見てきたヒーロー物のアクションシーンの良さや重要さに気づけたというのもあるかもしれません。気づかせてくれてありがとう。(今までよりアクションシーンを真面目に見るようになりました)
去年のドンブラザーズもBパートの終わりが近くなってようやく戦い始めることはありましたし、他にも戦闘が短い特撮ヒーロー自体はいっぱいありますが…
キングオージャーの良くない点は、ヒーローや怪人に全く興味がなくて役者が喋ってるシーンしか撮りたくないことが画面から伝わってきてしまうことですかね。
序盤からずっと、本当にノルマ的にテキトーなタイミングで敵が攻めてきてそれを倒すだけみたいな時が多いわけです。全然その回のストーリーと関係ない。五道化倒すときすら片手間。
ラクレスと揉めてる時期とか怪人との戦いを入れないほうが自然に見えるストーリー構成な感じだったし、根本的に話の組み立てがおかしくねぇ?と思いました。(たまに例外はあっても大半の回は怪人とヒーローの戦いが話の中心であり山場になるストーリーであって欲しい)
そのアクションの内容も、スローモーションになっては剣で斬るだけ。「これ(スローモーションとかジャンプして斬るやつ)がキングオージャーらしいアクション」というにも流石に単調すぎると思いました。
そこまでアクションに興味強くない私が見てて気づくレベルなので、よっぽどだと思います。
2部になると怪人が五道化か再生怪人しか出てこなくなるので、まともな決着がつかなくなりちょっと戦闘員斬るだけみたいな場面が多発したのもヤバかったです。
あと五道化はパワーバランスがめちゃくちゃすぎなのも流石に気になります、五道化は6人がかりでも倒せない時もあれば1人で雑に2名ほど撃退できるときもあって、なにこれって感じ。(変に弱い時が度々あるせいで倒す時も大して盛り上がらない)
ダグデドや五道化の対策方法が破られたわけでもないのにコロコロ変わるのも意味不明でした。
最後にフォローもしておくと、1部の後半で実景でデズナラクたちと長めに戦闘した回があってアレはけっこう良かったです。最終回もラクレスとデズナラクがカメジム倒すところは良かったかな。
武器を強調しないスタイルやCG・エフェクト頼りのアクションも微妙だった
キングズウエポン、ほぼ毎回使ってるのに画面にマトモに映らないのでヤバいくらい影薄い武器でしたよね。
多分キングオージャーって初期の平成ライダー(アギトとか)みたいなサラッと武器使って倒す感じのやつを格好良いとしてやってみたかったんだと思うんですけど、単純に何使って戦ってんのか&売るアイテムの魅力が分かりづらい感じになってしまってたように思います。
戦闘シーンはとにかくエフェクトとかを盛るのも見づらくて苦手でした。
ロボ出なさすぎ、ロボ戦があんまり面白くない
1部もタランチュラナイトとかキングコーカサスとかろくに出番なかったけど、2部になった途端キングオージャー(ロボ)すらまともに出てこなくなったのは何だったんだろう?
マジで月1回くらいしか出ないことが度々あって、少ない分出た時に凄い活躍するのかと思ったらべつに普段の回程度の出来。
私は戦隊のロボについては昔から非常に好きで玩具とかもよく買ってるので、出番が少ないのは普通に残念でした。おもちゃも買うには至らず。
また正直本作のロボ戦はあんまり面白くない回が多かったかなと。速すぎて何やってんのか分からなかったりして。
でもクモとアリで釣りをする回とか1話とか、たまに良いロボ戦もあったかな。
変身しないほうが強いという斬新な展開
終盤「王の証」というのが出てきて、変身解除してコレを使ったほうが強いという異常事態になるのが最悪でした。
まあべつに王の証自体はあってもなくてもいいんですけど、変身するより生身でアイテムかざす方が強いのはもう変身ヒーロー番組として終わっちゃってると思います。
せめて普段は変身した状態で使って最終回だけ例外的に生身で使うとかすればいいのになぜ…?(アイテムをプレバンで売りたい&ヒーローのスーツなんてダサいから役者長く映してぇみたいな理由?)
セリフを複雑&長くしすぎ、会話が頭に入って来ないので話の意味がわからない
アクションシーンに次いで駄目だろコレと思ったのが、とにかく今起こってることを理解できないこと。
今何が起こってて誰がどういう意図で何をしているのかみたいなことがここまでわかりづらい番組は大人向けの番組でもあんまりないんじゃないでしょうか。
各キャラクターの思惑が張り巡らされて~みたいな感じでもなく、単純にわかりづらいです。
考えられる理由は2つで、まずセリフが難しいかつ冗長すぎることです。
簡潔なセリフにまとめられるはずのこともいちいちやたら長く・難しい言葉にするので、なんとなく画面見てるだけだと頭に入ってきません。呪文の詠唱か?
普通の人が日常生活で使わないような言い回しが多用されるので、理解したければ字幕必須です。字幕あっても分かりづらいと思うけど。
わざと辞書引いて難しい言葉選んでるのか?って感じですけど、3歳児とかが見る番組のはずなのにどうしたいんだろうこれは?
作る方は楽しいのかもしれないけど見る側は意味わかんないだけでストレス、自己満足になっちゃってたと思います。
セリフやストーリー展開が難しくても映像でうまく補完してくれれば理解しやすくなるんですが、キングオージャーは何故か映像でわかりやすく表現しないといけないような部分も全部キャラがセリフを喋ってる様子をそのまま映して終わります。
これはCG背景を合成する都合とかで、工夫する時間がないんでしょうか?
ヒーロー番組以前に子供番組として駄目、というか大人向けのテレビドラマだったとしてもこれ出されたら大半の視聴者はよくわからなくて見るのやめちゃうんじゃないの?と思いました。
そして今のうちに言っておくけど、この感想記事もダラダラ長くて読みづらくて面白くないね!
話の整合性が怪しい、説得力がない、後付け感ある不自然な設定が度々出てくる
「この番組何言ってるのか全然理解できないなー」と思いながら見ててもなお「前のコレはどうなったんだよ」「この設定絶対今考えただろ」みたいな場面はやたら目についた気がします。とくに2部。
例えばンコソパがヒルビルに破壊されたのに次ンコソパに行ったら完全に崩壊した街が全部元通りになってるとか。
あとヒメノがギラが不死身なのを利用して自分の王の証のパワーの実験台にしようとする→ギラが「好きで不死身になったんじゃない」と拒否ったらヒメノが全国のご病気の人の気持ちを慮れ的な意味不明なキレ方する→ギラの「不死身って生きてる感じがしないわ」的なセリフで気づきを得たヒメノ→「あなたは治癒能力がたかいだけで不死身じゃないわよ」のくだり、マジで意味がわからない。
というか最後の手前までは理不尽さがかなりありつつも言いたいことはギリギリわかるんだけど、最後の「お前不死身じゃないよ」で「じゃあなんで実験台にしようとしたんだよ」という謎が発生してる。
「こうすれば解決する」みたいなことをキャラが言い出すとだいたいその抜け道が浮かんでくる説得力のない展開も多くて、マジで見てて面白くなかったです話は。(例えばダグデド周り、ダグデドに情報全部筒抜けだったりこいつがちょっとキレれば隕石落として終わる可能性あったりみたいな部分は度々有耶無耶になってたと思う)
行間とかいう概念が嫌い
「行間を読む」という概念における行間って言わなくても誰でもわかるようなことであって、キングオージャーで多用される行間はなんか違うと思います。
「妄想して整合性おかしい部分や情報が抜けてる部分をなんとかして名作にしてください」というのがキングオージャーの行間。
ネットのオタクの人達は頑張ってこの「行間読み」をしてくれるかもしれませんが、全国放送するガキ向けのテレビ番組でやるもんじゃないと思います。自ら客層を狭めに行ってしまってるというか…
というかこの番組でも当初はジェラミーに「伝わらないと意味ねぇじゃん」とか言ってたはずなのだが…?
とにかく本作は「雰囲気で察してください(正解は前後の文脈から読めないので妄想するしかない)」みたいなシーン多すぎ、意味がわからないだけになってますよね。
なんかキングオージャーって「バカには分からない番組です」みたいなムード出してるけど裸の王様って感じ。(流石に言い過ぎ?)
連続性重視なわりに前に見たシチュエーションを多様し過ぎでむしろマンネリ
2週連続で避難するとか、1週置いてまた若返り展開とか、とにかく似たようなシチュエーションをわりと短期間で繰り返すのでマンネリ感がありました。
連続性が強いのがキングオージャーのウリだと思うんですが、そのわりには既視感の強い番組でしたよね。
王様戦隊結成を何回もやったりとか、なんか面白いんですかね?これ。
度々感じられるオタクへの目配せ感がキツい
大人っぽいストーリー展開のヒーロー物みたいなのはいくらでもあるわけですが、キングオージャーはなんか…アニメとかゲームとか漫画のオタクが喜ぶようなシチュエーションを用意してドヤってくる感じが個人的には痛くて苦手でした。
リタアイドル回とかそのために他のすべてを投げ捨てたような内容でかなり地獄度高かった…。
オタクが盛り上がりそうなシチュエーションがあるだけでとくにそれに向けての盛り上げ工程がないのがとくに駄目だったと思います。
10代くらいならシチュエーションがあれば脳内補完でテンション上げられるのかもしれないですが、私はそういう熱ももうないので普通に冷めた感じで見てしまいました。
世界観には春頃に飽きた
当初新鮮ではあったんですが、春頃にはもう見飽きたCG背景になっちゃいましたよね。
見飽きてくると、だんだん「なんか狭い部分に人密集し過ぎじゃない?」とか「背景グラグラしててキャラの足とかたまに消えてない?」とかだめな部分が目立っちゃいましたね。
喋りだけで話を進めたり戦闘シーンの構図が単調だったりするのも多分CG背景で色々手間な都合があったんじゃないかと思いますが、まぁこういう技術は結局部分的に使うのがベストなんでしょうな。
なんか技術や作り手の頑張りを見せるために面白さを犠牲にしちゃってる場面多かったですよねキングオージャーって。自己満足。
王様戦隊のキャラクターがだいぶ不快
話がつまんなくてもキャラが魅力的なら良かったんですけど、そこも正直イマイチ…!
1話から最終回までにまともに成長するキャラがいないし、話が進むにつれて新たな魅力が出てくるとかないし出来事を経てメンバーの関係性が変わったりとかもあまりない。
で、前半はとにかくラクレスを蹴落とすためにみんなでなんか鬱陶しい策を練ってて印象悪い(ついでに策略キャラのカグラギの個性も死ぬ)し後半もなんか私利私欲で生きてる感が悪化してて全員印象悪い。
民に対してやたら情報隠蔽や情報操作するのも嫌だった。
とくにヤンマとヒメノが高圧的でセリフもトゲトゲしてて、演者の方々には申し訳ないけど見てて毎週キツかったです。
こいつら「普段は感じ悪いけど根は良いやつ」みたいなことを考えて脳内補完せずに本編の描写だけ見るとマジで屑キャラだよな…。印象がマイナスに振れるシーンはやたら多いのにプラスに戻すシーンが少ない。
ギラが空気
戦隊のレッドでここまで影薄いやついた?
影薄すぎてやらかしもわりと少ないので総合的にはメンバー内で一番印象良いですけど、あまりにも空気過ぎてどうかと思う。
大して強くない(弱くもないが)から戦闘であまり活躍しないし、たまにメンバーに自分の意見言っても大して聞いてもらえないし、終盤はラクレスが仲間になった結果仕切ったりカウンセリングしたりするのがラクレスになるしで本当に影が薄かった。
1話のギラは輝いてたし序盤も既に傍観者みたいになりかけてはいたけど子供に優しいとかたまに魅力出せてたので、決闘裁判辺りから終盤に至るまでのフワフワ感は残念だった…。
夏に一瞬ギラが王として成長していく展開があったものの、すぐに終わってバグナラクとの決着~ダグデド登場になっちゃったんですよね。
ダグデドがつまらなすぎる
デズナラク率いるバグナラクはそこそこ良かったと思うんですが、ダグデドは本当に面白くなかったです。
登場時のインパクトはすごかったんですが、子供じみた性格とやることの異様なまでの地道さが全然噛み合ってなかったというか…
能力も初っ端に強くしすぎたせいで「なんでそれ使わないの」みたいな場面が多いまま説得力なく倒されましたね…。
キョウリュウジャー要素の扱いが酷い
1万円以上するおもちゃとか売ってるくせに要素の登場4回だけってどういうことだ…?
ガブティラ付いてきたのに何もしないのはマジでビビった、何がしたいの…?
出したくないなら出さなきゃよかったじゃん、無駄に平和になったはずのキョウリュウジャー世界崩壊してて悲惨なことになったりしたし。
ただキョウリュウジャー回の前後編自体は、キングオージャーの中でもかなり面白い回だったとは思います。戦闘シーン多いし王たちもある程度魅力的なキャラクターになってたし。
まとめ
最終回、最後のジェラミーのナレーションがアンチ活動してる奴らへの当てつけにしか聞こえなくて笑った。(行間を読みました)
さて、中高生くらいの時期にキングオージャーに出会ってたらもっとハマれたんじゃないかとは思います。色々と「新しさ」がウリになってたので、細かい違和感はスルーしてそれらに素直に驚いて楽しめたんじゃないですかね?
しかし30歳の段階だとそれなりに色々な作品を見てて気分的にもある程度冷めてるので、「ただお約束を捨ててるだけで面白くなる効果は何も出てないよね」「意外な展開だけど意外なだけで面白くはないよね」みたいに、色々な要素に対してよほど完成度が高くないとマイナスな印象で見てしまいますな。
「IQが高い人向け番組」みたいなムード出してるわりには支離滅裂で、話がクソでも盛り上がれる戦闘シーンすらほぼないorほぼつまらないのでマジで良いところが見受けられなかった。
「行間を読め」とか言って理解力があればわかるかのような雰囲気を出すことで馬鹿だと思われたくないネット上のマニアは黙らせられたかもしれないけど、SNSを除く世間的にはどうだったんですかねこれ。
戦隊シリーズって私の中ではかなりの安牌で、直近だとキュウレンジャーはあんまりハマれなかったけどそれ以降の5年間は全部一定以上好きな作品でした。
ライダーがどんだけ面白くなくても戦隊は面白いから安心って感じだったんですけど、ついに戦隊がマジで面白くないというか令和ライダーの駄目な部分煮詰めて悪化させたみたいなのが来ちゃったので安心感がなくなり、戦隊熱もかなり下がってしまいました…。
まぁ配信のバトルフィーバーやカーレンジャーは楽しく見てるし、ブンブンジャーもここ2週の予告など見る限りは多分楽しく見られるとは思うんですが…。
あとキングオージャーは本当にファンの熱意がすごくて、ちょっとでも文句寄りの感想をXに投稿すると知らない人から引用で叩かれるのがなんか怖かったのも「もう離れたいなこの界隈」と思ったポイントだったりする。(べつに文句への批判自体は全然書いてもらってもかまわないんだけど、今までのライダーとかへの文句には一切こういう凸されたことなかったからちょっと熱量に引いた)
正直もうライダー含めて最新作に触れるのは面倒くさくなっちゃったので、ブログに現役ニチアサの感想書くのはやめると思います。(なおガッチャードはライダー増えてきた辺りで合わなくなってきて既に視聴止まってる)
今年は話題のアニメとかブルース・リーの映画とか、刑事ドラマをもっと重点的に見ようかね。最近はぽんのみちにハマりつつ合間にリコリス・リコイルとかあぶない刑事とか見てます。