書くのやめておこうかとも思いましたが、まあせっかく一年間見たのでブンブンジャーの1年間の感想をまとめておきます。
開始当初は王道子供向けヒーローモノ的な空気を感じつつ毎回非常に楽しかったブンブンジャーですが…、1クール目後半頃から早々に失速して最終的には「コレ以下はないだろう」と思っていた去年のほうがマシだったなぁと感じるくらいまで個人的に堕ちてしまいました。
目次
爆上戦隊ブンブンジャーの良い点はアクションシーン
ブンブンの良い点はアクションシーンですね、コレに尽きると思います。
昨年はアクションシーンを投げるという凄まじい事態に発展してしまいましたが、ブンブンジャーは1年間概ね良質なアクションを見せてくれたのでそこは非常に良かったと思います。
ただまぁロボ戦はそんなに面白くなかった印象で、等身大アクションが魅力ですね。
タイヤというモチーフを色々な方法で使っていくのが楽しかったですし、アクションの動きも軽快で良かったと思います。
一応たまに面白い回もあった
前半は1話完結系の無難系エピソードが多く、後半はシリアスな回が多かった本作。
個人的に好きだった回ベスト5は以下のとおりです。
- 第1話
- 第6話(トイレグルマー回)
- 第2話(機密書類輸送回)
- 第14話(水族館レイゾウコグルマー回)
- 第12話(ゴーオンレッド回)
そんなわけで一応好きな回自体はちらほらあるんですけど、見ての通り序盤の回に集中してるんですよね…。(ディスレース登場以降は正直1本も好きな回ないです)
ブンブンの微妙だった点
正直、良い点がほぼアクションシーンしかなかったというのが1年間の結論です。
前半の問題点:中身が流石に限界を超えて薄い(とくにキャノンボーグ期)
ブンブンの前半は「できる限り縦筋のストーリーは進めずアクションシーン最重視」という作りで、それ自体は全然アリだと思います。
しかしながら、流石に内容がなさすぎて「この回いる?」みたいになってしまうことが多かったです。
普通の戦隊だとメンバーの1~2名が活躍してそいつの掘り下げや友情の発展・ゲストとの交流みたいなことがあるわけですが、この番組も一応そんな感じの導入な回が多いんですけど終わってみるとほとんど「ただ一緒に行動してた」くらいで衝突・対立も仲を深めることもゲストの成長とかもほとんどなく得るものがないことが多かったです。
マジで冒頭3分くらいで状況説明したらあとは戦ってるだけみたいな…。
敵がマッドレックスだった序盤の頃はまだ良かったんですが、キャノンボーグの時期はやたら長いうえで序盤以上に中身がなくなっていてけっこうしんどかったです。
でも終わってみるとその後よりはキャノンボーグ時代のほうが好みだったな…
例えばブンドリオと大也とか、この番組の仲が良いやつって「そういう設定」を過去回想とかで明かしたらもう説明終わってる感じで現在の時間軸における発展が全然ないんですよね。
序盤見たらもう飛ばして終盤見ても何も差し支えない感じの番組だと思います。そもそも作りとしてはそれを目指してたのかもしれないけど…。
戦いが主軸なのは良いんだけど本当にただ戦ってるだけなことが多かったように思うので、戦いの中でもっと話が進むような構成になってくれれば面白かったかなぁとは思います。
毎回の要素自体は王道っぽいんだけどマジで要素だけで何も中身がないんですよね。
後半の問題点:何もないところから今更縦筋を展開されても乗りづらい
前半とくにキャラの掘り下げとかもなくダラダラしてただけだったので、おそらく販促的な制限がゆるくなった後半にいきなりドラマ重視な作風に転換されても乗りづらかったです。
あたかも今までに仲を深めてきたみたいな雰囲気だけ出されても「そうかぁ?」みたいな…。
わりと話の肝心なくだりで関係ない歴代戦隊が出演してくるのも個人的にはノイズ気味でした、ゴーオンレッドみたいな単発回なら嬉しいんですけどブンブンジャーの話はブンブンジャー内で完結してほしかったです。
なんか知名度高くなったOB俳優を呼びつつ呼べたことに悦に浸ってるようにも見えちゃってたんですが…これは考え方が陰湿すぎますかね。
あとタイヤの過去とかブルーの過去とか、全体的に序盤でさっさと明かしていい要素を終盤近くまで引っ張るせいでキャラがかなり長い間宙ぶらりんな感じになってたのは普通に駄目だったと思います。これどういう意図だったんですかね…?
自分のハンドルの話が始まるとつまらなくなる
近年だとキラメイジャーあたりもけっこうその回ごとの視聴者に向けたメッセージ性が強かったですが、アレ以上に本作はメッセージが押し付けがましかったです。
本作のメッセージは「自分のハンドルは自分で握れ」しかないので、前にもその話してたよね?みたいなのを延々繰り返されるので普通につまらなかったです。
自分のハンドル関連のエピソードって高確率で不快なゲストキャラが出てきてそいつを下げつつブンブンジャー側を持ち上げるような作りなので、「またなんかウザいキャラ見せられるのかぁ」みたいな辛さもあります。
そしてこれを主張する筆頭キャラの大也がけっこう早い段階で内藤にハンドル握られてることを視聴者に提示してくるので、「コイツら偉そうなこと言ってるけど全部おっさんの掌の上だぞ」という滑稽さが出てしまっていたのも微妙かなと。
あと最終回もグランツをやたらに否定してましたが「そんなにこいつブンブンジャーの言うハンドルを握れてない人なのか?」という違和感が凄かったんですけど、死に際とかの演出が妙にじっとりして感情移入させるような作りだった辺りそう思わせる狙いなんですかね?そうなると最後の最後にブンブンジャー側の主張に反感抱くような構成になってるのも変ではあるが…
キャラクターの印象が基本的に悪い
キングオージャーが性格・態度悪いキャラばかりだった反省というか同じ路線を避けたというかなんでしょうか、メンバーの印象を下げないことはかなり意識していたように思うんですが…
終わってみるとなんか普通に印象悪いキャラが多かったなぁと思います。
一番厳しかったのが大也で、こいつは都合が悪くなると黙るし隠す必要が微塵もないことを隠すので「このキャラクター描写でいいのか…?」と流石に夏頃からは感じていました。(2年連続の情報隠蔽系ヒーローである)
最後までとくに反省とかなかったですね…
オレンジ離脱時も自主性を重んじて放置してましたが、一応ハンドル論を掲げちゃってる関係上そうするしかないとは思うんですけど正直それが格好良いとは思えませんでした。
ピンクもなんかこいつ単体では悪くないんですがこいつを持ち上げるためにウザいゲスト出してそいつを下げる傾向にあるのが、なんかゲスト連中を不憫に感じてしまって個人的にはイマイチ。
またこいつら2名はピンク友人変身アイテム持ち逃げ回で友人の危機を突っ立って見てたシーンが近年の戦隊の中でも印象最悪…
オレンジは前半は好きなキャラだったんですが、勝手に長々と離脱してテキトーに帰ってきたうえでサッカー回でバイオレットと揉めだすのが最悪。
バイオレットは嫌いなキャラではないんですけど好きになる段階までは上がらずといった印象。
ビュンディーも嫌いなキャラではないんですけど、ブンドリオの過去発覚回で自分がハシリヤンと仕事してたことを棚に上げてキレだしたのがどうにも理不尽でそこだけイマイチ。
ブンドリオは印象が薄いです。
途中からたまにテキトーに外に出てくるようになりましたがもっとドラマパートに出てきてほしかったです、だいたいカレー作ってるか整備してるだけだったので大也達といっしょに何かするような回を2~3本くらいは見たかったですね…。
結局とくに減点要素がない普通のヒーローだったブラックが一番好印象ですかね、隠蔽体質3名が目立ってる結果わりと影は薄めでしたが…
あとサンシーターも和解前提であまり悪いことはさせられないという配慮があまりになされすぎていて、敵として面白くはなかったです。(とくにキャノンボーグ期にずっとサボって悪態ついてたのは良くなかったですね)
キャラに違和感を覚える展開があったりさじ加減を間違えてたりしがち
終盤ブルーが裏切って敵に回ってしまうわけですが、これ今更ほかのメンバーが「あいつは裏切りやがった」判定してくるのが不自然すぎました。
まぁラスト1話前の終わりを見るに「裏切ってないとわかっていた」ということだったっぽいんですけど、視聴者からすると「こいつら裏切るわけないのはみんなわかってるはずなのにどうして今更そんなみんな冷めてんの…?」みたいな感じにはなってしまってましたね。
こいつの裏切りムーブの流れでブンドリオが殺される展開が入ってしまったのも引っかかります、そこも想定内だったら感じ悪いし想定外でも感じ悪いぞ!
ミラ友人変身アイテム借りパク回も急にミラが疑り深い人になってたりとか、なんか話の都合でキャラがコロコロ変わってるように見えるのは残念でした。
全体的に話を進めるにあたってキャラを捻じ曲げてたり、さじ加減を間違えていて「その描写入っちゃうと今回のテーマ語るにあたって変な感じにならない?」みたいなことになってたりしがちでした。(ブラックと少年の警察交流回なんかも失敗を恐れずチャレンジしようみたいなテーマは良いんだけど火事未遂とか絡んでくるとその段階超えちゃってましたよね)
あとマッドレックスの印象が死んでから急に上がりまくったり、終盤に顕著ですがぽっと出の新アイテムや要素でどうにかする展開が多すぎたりするのも作り手側に都合良すぎて微妙。猿がエネルギータンクとかもうちょっと事前にネタを出しておけよ!
内藤も引っ張ったわりに最後尺足りてないような終わり方で残念。
基本的に辛気臭い、内容をぼかしすぎ
そういう作風ということでまぁいいっちゃいいんですけど、見ていて気分が上がるような回があまりなかったなぁというのが正直なところでした。
やたらに人の死を連想させるような暗いエピソードが多いし、生き方を問う系の説教臭い回も多いし…
一方で暗くなりすぎることへの配慮なのか、やたらに暗い描写は説明から逃げてぼかすのも個人的にはしっくり来ませんでした。
先生がどうなったのか辺りはまぁご想像にお任せしますでもいいんですけど、レッドの隣人の家庭の児童虐待による死?事件化?みたいなのは重い内容ではありますが話の根幹にも関わる部分なのでハッキリ説明したほうが良かったようには思います。
まとめ
アクションシーンは面白かったんですが、わりとテレビドラマとしての悪い点は前作から改善されずそのままだったなぁというのが終わってみての感想でした。
特に後半は無味無臭な前半が良い思い出だったと思えるくらいにキツかった…
色々な要素自体は悪くないものが多かったと思うんですが、最終的に出てきた物は微妙でしたね。
なんつーか本当は尖った作品をやりたいという思いがにじみ出すぎて普通に異色作になってたとは思いますし、そのうえでそれが面白いとも個人的には言いがたかったです。
流石に2年連続でここまでのレベルのものを見せられてしまうともう戦隊には凝りたと言わざるを得ないので、よほど1話が面白くない限りはゴジュウジャーについては早々と切り捨てて脱落という形になる予定です。
ライダーもそんな状況が続いてから時間をかけて現在とりあえず一旦の完全復活に至っているように思うので、シリーズさえ続いてくれればきっとまた名作が生まれると思いたい…